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2020年09月07日 [会計・税務]

連結財務諸表に生じた未実現損益と税効果

税効果会計は、原則として、資産負債法が採用されており、繰延税金資産は回収可能性を判断し計上されることとなっています。一方、連結決算手続上、消去された未実現損益に関する将来減算(加算)一時差異については、未実現損益が発生した連結会社と一時差異の対象となった資産を保有する連結会社が異なるという特殊性を考慮し、売却元の連結会社における税金の納付額又は軽減額を繰延税金資産又は繰延税金負債として計上し、当該未実現損益の実現に対応させて取り崩す繰延法が採用されています。
この繰延法では売却元の連結会社における税金の納付額又は軽減額は確定した金額であるため、繰延税金資産又は繰延税金負債の額は、売却元の連結会社における未実現損益(資産に係る売却損益)の額に対して売却年度の課税所得計算に適用される税率に基づく法定実効税率を用いて計算した税金の額となります。
繰延法とは、会計上の収益又は費用の額と税務上の益金又は損金の額との間に差異が生じており、当該差異のうち損益の期間帰属の相違に基づくもの(期間差異)について、当該差異が生じた年度に当該差異による税金の納付額又は軽減額を当該差異が解消する年度まで、繰延税金資産又は繰延税金負債として計上する方法です。したがって、繰延法により計上する繰延税金資産又は繰延税金負債の計算に用いる税率は、期間差異が生じた年度の課税所得計算に適用された税率となるため、税率変更があっても繰延法による繰延税金資産又は繰延税金負債の金額に変更はありません。
 ちなみに、売却元の連結会社に繰越欠損金がある場合、税務上の繰越欠損金は課税所得の50%が控除限度額(中小会社を除く)となっているため、未実現利益の税効果も50%が計上額になります。



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