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2021年07月07日 [会計・税務]

子会社の税務上の繰越欠損金

100%子会社が赤字決算から税務上の繰越欠損金を有してたとしても、連結納税制度または新たに導入されるグループ通算制度を採用していない限り、親会社の所得との通算は認められません。また、税務上の繰越欠損金は、10年間の繰越が可能(2018年3月31日以前開始事業年度は9年間)であり、翌期以降の事業年度の所得から控除することがでる。ただし、中小法人等(資本金1億円以下等)以外の法人での欠損金の繰越控除額は、所得の50%に制限され、繰越欠損金を控除するためには欠損金の倍の所得が必要となる。税務上の繰越欠損金の控除可能期間(10年間)のうちに繰越欠損金の控除が子会社の所得のみで控除できない場合、子会社を親会社に合併するまたは子会社を清算することが考えられる。適格合併が行われた場合、当該合併に係る被合併法人の未処理欠損金額は、所定の要件を満たす場合、当該合併に係る合併法人に引き継ぎ、合併法人において、合併事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額とみなすことができるとされる。ただし、未処理欠損金のある法人を買収して租税回避を行われることを防止するため、一定の制限が設けられている。なお、会計上の欠損金は、合併時に引き継ぎを行わず、抱合せ株式消滅差損として損益計算書を経由して引き継ぐことになる。その際、抱合せ株式消滅差損は、法人税法上の損金とならず加算される。子会社を解散した場合ですが、平成22年度税制改正により完全支配関係のある子会社の残余財産の分配があった場合には子会社株式の帳簿価格を譲渡価格とみなすこととなり、その子会社株式に係る消滅損の計上は認められなくなった。一方、完全子法人の残余財産が確定した時に残っている未処理欠損金額は、その親会社に引き継ぐことになる。したがって、完全支配子会社の繰越欠損金は、親会社と合併してもまた子会社を解散したとしても親会社に引き継ぐことができる。また、グループ通算制度が令和4年4月1日以降開始事業年度から適用されることとなったが、グループ通算制度開始前の完全支配子会社の税務上の繰越欠損金は、一定の要件を満たした場合にのみ、完全支配子会社の個別所得の範囲内で使用することができるにとどまる。グループ通算制度では、制度導入前に既に発生した繰越欠損金は親会社の所得と通算することはできない。


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